16歳の教科書という読本①

皆さんが16歳の頃というと、どんなことを考えていたでしょうか?

大学進学の目標がしっかりあって、そこに向けて勉強していたとか、部活動をしていた人は、大会に向け日々精進していたとか、何か猛烈に好きな趣味があって、それをひたすらやっていたとか?

社会的な視野が狭い高校生は、一つのことに集中できるうちは迷いもなく前に進めるかと思いますが、目標や打ち込めることがなかったり、何かのきっかけで立ち止まる時間があると、あれこれと考えてしまい、悩み、迷い、ひどい時は目標を見失うこともあるそうです。

何か視野をひろげるきっかけがあれば良いのですが、集中できている時は尚更そういうことに興味関心がいかないものです。そんな多感で悩み多き16歳に向けて、7人の教育スペシャリストが特別講義を行うという本が👇

 

 

ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書 なぜ学び、なにを学ぶのか (講談社+α文庫)

ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書 なぜ学び、なにを学ぶのか (講談社+α文庫)

 

 

全体のテーマは 『 なぜ学び、なにを学ぶのか 』 です。なぜ、国語や数学を学ぶのか。大学進学のためだけの勉強と思っていないか。勉強することの意義や意味、理屈がわかれば学ぶ姿勢も変わるだろうし、同じように勉強しても頭に入るスピードも変わってくると思うのであります。

本書の講義科目は、国語、数学、英語、理科、社会、心理です。それぞれの要点をピックアップしたので参考にしていただければと思います。

 

1限目「国語」 講師:金田一 秀穂

国語というのは言葉というツールを使って伝えたいことを伝えれるようになる、他者とうまく関係がつくれるようになるための学習です。しかし、教科にすると大切な何かが欠落してしまうために困惑する。

国語って発音や話し言葉についての学習はないですよね?つまり、コミュニケーションのための科目なのに試験問題が作りやすいように、測れるものだけを学習しているのです。

それに、美しい文章を題材に学習するから、甘ったるい文章が美文だと勘違いしてしまう。だから、小学生や中学生になっても作文が印象の表現や感想ばかりになってしまうのです。

あくまでも相手に伝える、伝わるためにどうすれば良いのかを目的に学習すべきなのです。

 

2限目「数学」 講師:鍵本 聡

数学は理解するとか納得するだけでは0点なんです。受け身ではなく自分から問題を解こうとする能力が必要なので、数学が難しいと言われのです。

数学は知識ではない。ものの考え方や倫理の進め方を学ぶ学問なのです。

どうしても数学が苦手だと感じる場合は、クラス全員の答案を採点させてあげるということをすると効果的です。

数学の論理は、世に溢れるインチキを見破り、そのウラにある真実を突きとめるにも役立つ。だから、数学力のある人ほど冷静にメリットデメリットを判断する。

数学が苦手な人は姿勢がわるい。それだけ集中力が必要なのです。

 

3限目「数学」高濱 正伸

 数学は考えることそのものを扱う教科です。自分の頭がどれだけ働かせることができるかが問われているのであり、社会に出ると必ず数学が必要になるんです。

ノートに答えを書き取る時も、先生が黒板に書いた答えを一気に書かないといけない。ちょこちょこ顔を上げて写してたら絶対に身にならない。

図形問題で補助線が浮かぶ能力を身につけるトレーニングが数学なんです。

 

今の教育の現場には世の中はそんなに甘くないんだぞというメッセージが足りない。ちょっとしたトラブルで過保護な対応になる。でも、大人になって社会に出てもイジメもあるし、ノルマもペナルティもある。リストラさえある。自分の親と同じくらいの人と人間関係を築かないといけない。本当の教育というのは、そういう厳しい社会に出ても食っていけるだけの人間を育てることだと思うんですよ。