後世に伝えていくことの大切を痛感する本
皆さんにはバイブルとなる本、又は人生観を変えられた本はありますか?
海外旅行に行くと価値観や人生観が変わると言いますが(確かに変わった)出会うべく時に出会うべく本というのがあったりします。もしかしら、他人から見たらそんに良本ではないのかもしれないけれど、読んだ当人にしてみれば、物凄い衝撃を受ける本。
今回はMoominNにとってのバイブルとなる本だが、後になって考えてみると、ちょっと違った視点が見えてきた。
- 作者: G.キングスレイウォード,G.Kingsley Ward,城山三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/04/01
- メディア: 文庫
- 購入: 29人 クリック: 313回
- この商品を含むブログ (127件) を見る
タイトルの通り、ビジネス上の後継者への手紙なのである。
目次(一部抜粋)
- 実社会に出発する君へ
- あえて挑戦を
- 誠実さの代価
- 企業家とは何か
- 部下との衝突
- 共同事業への誘惑
- 結婚を気軽に考えないで
- 事業を拡大する上で重要なこと
- 金銭感覚はどうなっているのか
- 読書の価値
- 社員を解雇するとき
- 自分の財布の管理も計画的に
- 常に備えよ
- ストレスと健康
父から子へアドバイスだけではないものが見えてくる。
サラッと読んでしまうと、父から子へのお説教というか、躾みたいにも感じる。
でも違う、そこには、会社がどうこうではなく、父親の息子への愛を感じる。
よく、学生アルバイトや新卒が入社した時に、先輩社員が「あんなこともできない」「こんなこともできない」とぼやいているが、きっとあなたもそうだったと思うよ。「今時の子は」と枕詞を付けて物事を見るが、そもそも実社会の経験が少ないのだから、できない・知らない当たり前だし、それを指導することが先輩社員の成長につながるのだと思うのである。
なので、父子に限らずこうした指導をしていくことが、企業の発展、社会の発展につながるのだと真剣に考えた方が良い。
ただし、確かに若者にも素直に聞き入れる、先輩をリスペクトするという姿勢が足りないのも確か。
想いを伝える方法の一つとしてみる
10ページに1箇所はアンダーラインを引きたくなるような素敵な名言に出会うことができる。
- 私たちが時間外労働までして頭の中に築きあげる悲劇(深刻な事態)は、的外れであることが多い。
- 読むことは人を豊かにし、話し合うことは人を機敏にし、書くことは人を確かにする
- 日常生活の中でどんなことをする時も、これは責任ある態度だろうか?と自分に問いかけてほしい。
- 全ての卵をひとつの籠に入れるな。
- 他人の過ちから学べ。自分ですべての過ちを経験する時間はない。そのために読書をしろ。
- この世の中には新しいことはあまりなく、人の一生には反復的な面が多い。
- 他人が自分の思いどおりにならないからといって、腹を立てるこたとはない。自分自身でさえ、思いどおりにはならないのだから。
- 人生の作法を守ることを忘れてはならない。ご馳走がまわってきて、自分の前に来たら、手を伸ばして、礼儀正しく一人分を取る。次にまわっていくのを滞らせることのないように。まだまわってこないうちから欲しそうにしないで、自分の前に来るまで待つように。子供についても、妻についても、地位についても、富についても同じことである。
- 聴く価値のある批判は10%である。
この本がひとつの本だと思ってしまうと遺言書にも見えてしまう。でもこの本はあくまでも、父から子へ約20年にわたって、その節々で出された手紙30通です。父子に限らず、未熟な者に対してこうして語りかけてくれることが如何に素晴らしいことかと痛感するのであります。
立場や性格によって、言いにくいことや伝わりにくいことは多々あると思うんですよ。特に現代社会では。もしかしたら、このような手紙で伝えることって、結構良い方法なのかも?って今更ながらに思う。LINEやメールだと、文面が思ったこと以上にキツく感じたりすることってありませんか?やっぱり手書きの手紙のほうが、気持ちが伝わる、伝えたいことが伝わるのではないかと思うのであります。
ビジネスマンの父より息子への30通の手紙改版 (新潮文庫) [ G.キングズリ・ウォード ]
|