木造住宅と3匹のこぶたのお話

 3匹のこぶた的な建築の歴史

時代と共に「住宅」対する考え方や見方が変わってきましたね。

日本では古来より、寺社仏閣の建築技術があり、木造建造物が当たりまえ。そこに大工さん達の職人魂が長年にわたり脈々と受け継がれきたわけです。

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現代の「住宅」に対する法規は、災害などを通して学び得た教訓を活かし、人命を守るために追加されてきたものであります。

しかしながら、木造が弱いというレッテルだけで、今の立ち位置になったわけではないと思うのであります。

 

江戸末期までは、もちろん木造が当たり前。城や船が鉄板や石、漆喰でもって補強をしたことはあれど、それは鉄砲玉を防ぐため。

明治に入ると西洋からレンガ造が伝わり、主に官庁などに導入されます。しかし、導入直後の明治24年に濃尾地震(M8.0)が発生。レンガ造の織物工場が壊滅的被害となり、これをきっかけにレンガ造が廃れます。

※東京駅は鉄骨造にレンガ積んだ構造になっている

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明治末には、鉄筋コンクリート造と鉄骨造の建造物が、官庁や県庁、会社ビルなどに導入されます。

大正から戦後直後にかけて、関東大震災室戸台風、福井地震といった災害で木造建築物に甚大な被害が出る。その教訓を参考に、昭和25年に「建築基準法」ができます。

そうしたことから戦後復興時に学校や役場が全て鉄筋コンクリートで新築されていきます。※体育館は鉄骨造が多い。

 

木造住宅の立ち位置を見直す

一概に木造建造物が「弱い」とししまうのは、少々乱暴かなと思うのであります。

その昔の災害時の被害に直接関係しているのは、「火災」と「倒壊」だが、火災はそもそも「家事場の火」が原因であるし、倒壊も発生した状況をみるに「地盤の弱さ」による要因が大きい。

どんな地震にも耐える「免震制震」技術も大事だし、火災の被害を防ぐべく「防火構造」も大事だと思う。でも人が「住み暮らす」環境を無機質にしていくことは、精神的に良い影響を与えるとは思えないのであります。

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人間関係がとか、現代社会がとか、スマホがとか、格差社会がとか様々な問題も社会構造というよりは、生活環境による精神的影響のほうが大きいように思うのであります。

「対策のための対策」でもって工場で製造するモノが増えれば増えるほど「環境負荷」も増えているという考え方は間違いではないと思う。

問題は山積みですね。