「気づかい」「おもてなし」をわかりやすく解説した本
東京オリンピックの話の頃から、何かと聞く機会の多い言葉「おもてなし」「気づかい」ですが、あらためて意味をきかれると、すっと答えられない。ネットで調べるのもいいが、具体例でもって解説してくれる良本があった。
ディズニーと三越で学んできた日本人にしかできない「気づかい」の習慣
- 作者: 上田比呂志
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2011/10/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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日本人にしかできない「気づかい」の習慣 ディズニーと三越で学んできた [ 上田比呂志 ]
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忙しい毎日を送っていると、こうした日本人特有の精神性を忘れてきてまう。それはちょっとさびしいし、この本の中にも書かれているけど、
気づかい=文化
だから、後世に伝えていかなければいけない大事なことだと思うのであります。
本文で述べられている「気づかい」とは
気づかいとは、他者を慮ることです。
相手が欲しいという前にその気持ちを汲み取り、さりげない行動で示す。
相手のことを思い、自分がしたいからそうする。
「心をもって正しきことを行うこと」である
心 = 人を思いやる気持ち正しきこと = 相手が望むこと
ディズニーですら 『 サービス=代価 』なんですから
では、気づかいをできるようになるには?
気づかいというのは文化的なもので、日本が古くから培ってきた空気のようなもの。
周囲を見渡そうとする意識、人の気持ちを察しようという意識、そうした意識のアンテナを立てておくことが、気づかいの能力に直結するのです。
気づかいに必要なのは感性(物事の感じ方)なんだそうです。なので、「気づかい」の事例を実際に見せたりきかせたりして、「どう思う?」と聞いてみることで、少しずつ感性が磨かれるそうです。これって道徳の授業がいいじゃない?
感謝するに値するものがないのではない。感謝するに値するものを気づかないでいるのだ。-------中村 天風
他者の感情を尊重する事から生まれる謙虚さ、慇懃さが礼の根源である。-------新渡戸稲造
現代人が個人主義だの自己中心的だのと言われるようになって長いけど、つまりは、相手より先に自分のことを考えるからそうなるということですね。順番が大事。
「おもてなし」とは何か?
著者はこのように述べています。
自分のやることが誰かのためになる
気をきかせることで喜んでもらえる
これを体感として理解させてあげることです。
つまりは、頭ではなく心で気づき、知識ではなく体験して気づくということなんですね。相手のあることだから、すべてが報われるわけではないんだけど、行動ししみて相手に喜んでもらえればそれが「おもてなし」なんだと思ったのであります。
気づかい・おもいやり=日本文化とは?
気づかいやおもてなしというのは日本の文化から生まれるんだという。ならば、そうした精神性が生まれる日本文化というのは、どういうことだろうか?
日本人の精神的な教養というのは、文学や音楽、芸術によって身についてきた。------新渡戸 稲造
教養を身につける過程を精神修行として、自分自身を見つめ直し、感性を磨くという目的があったのだというのです。武道や芸術において、大切にしていることは?それは『 間 』です。つまり、行間や余白。
著者は言っています。
日本人というのは、余白や行間、その裏に情緒といったものを感じ取るのが上手です。日本という国の良さは、そうした言葉や目に見える現象を超えたところに風情や情緒、絆や余韻といったものを理解できるところでしょう。
相手を察し、慮ること。そこから生まれる礼儀や謙虚さ。
武道がスポーツではなく武道である所以です。そうした精神性忘れてはいけないと思うのであります。
余白を感じ取り、行間を読む。そして感性を磨くのだ!!
日本人にしかできない「気づかい」の習慣 ディズニーと三越で学んできた [ 上田比呂志 ]
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