自分の『想い』を生きる目的(仕事)にする本

 紹介の本は、 自分が本当にやりたかった仕事ができて、休日は趣味に時間をかけられるという方には、いまいちピンとこない内容かもしれない。勤労に対する考え方は人それぞれで、なかには世論や他者に振り回されて、気が付いた時には「何もできなくなっている」ということはありがち。

 自分が考え、想い、「こうしたい!」と思ったことも行動に移すのはたいへんなことだと思うのであります。なぜ行動を起こせないんだろうか?たぶん「どうしたらいいか、わからない」というのが一番の理由ではないかと。

 そんな自分の想いを行動に移せずに悶々としている方の道標となるだろう本が☟

えんぴつの約束

えんぴつの約束

 

 ただし、「社会のために」とか「他者のために」とか「地域のために」とか「教育」ということばに何にも感じない人は、内容が全てきれいごとにしか見えなくなると思う。それは、考え方は人それぞれだから。みんながみんな、著者のような考え方だったなら、それはそれで意味で大変なことになると思うし。

 

行動をするきっかけは「えんぴつ」から

 著者は学生時代に、学生が客船で寝食を共にしながら世界各地を航海するプログラム(セメスター・アット・シー)に参加。航海中に大嵐に遭遇し、転覆直前の体験をする。そんな旅行の中、インド・タージマハル近郊で出会った男の子に質問をする。

なんでも好きなものがもらえるとしたら何が欲しい?

すると男の子はこう答える

えんぴつ」と。

 

 

 世界には学校がない、学校にいけない子どもがたくさんいる。そして、客船の生死の間の体験と男の子がえんぴつをダイヤモンドのように大事に抱えて走っていく姿を見て、物事や社会の見方が変わるきっかけとなったそうだ。

 ぼくにとって書くための道具でしかない鉛筆は、その子にとって扉を開く鍵だった。それは、創造性や好奇心や可能性への入り口だった。偉大な発明家も、建築家も、科学者も、数学者も、子どものときに手にした一本の鉛筆から生まれた。

 お金をあげるかどうかで悩むなら、鉛筆かペンをあげよう!!

  そこから、貧困地帯に学校を建設するための団体『ペンシルズ・オブ・プロミスを設立する。

 

社会起業家への世間の反応をリアルに描いた物語

 本書の物語の中で、著者が大学卒業後に就職した大手広告代理店を辞めるべきかどうかという葛藤が描かれている。理想をとるか現実をとるか。著者が理想を「とれた」のは「若いから」というのが一番の理由だろうけど、社会や勤労や自分の想いに対する物事の見方が『特殊』な人にとっては、理想も現実もなく、それがあるべき姿(道標)なんだろうと考えるのだと思うのであります。

 物語は「非営利活動法人」の設立を考える方には参考になると思うのですが、企業活動として置き換えても参考になると思うのであります。初動から成長過程まで、どのように考え、行動するかは起業を考えている人にとっても参考になるし、読み手にエネルギーを与えてくれる

 全体に感じたのが、物語中盤から登場する著名人の数々と、著者のお兄さんが立ち上げた音楽レーベルからでたスターが「ジャスティン・ビーバー」だったりと、ヴァージン・グループの設立者『リチャード・ブランソン』に似てるなあって思ったりして。バイタリティーある人って、いろんなものを惹きつけるんだなあと思うのであります。

 

次回へ続く