ゲーム理論⑤戦術

巧妙な策を動物から学ぶ

 極楽鳥や孔雀はなぜケバケバしく長い尾羽をもつのか?邪魔だし、目立つので餌食になりやすいのではと。

 

ゲーム理論入門 (日経文庫―経済学入門シリーズ)

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図解で学ぶゲーム理論入門

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ゲーム理論で勝つ経営 競争と協調のコーペティション戦略 日経ビジネス人文庫

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 しかし、ダーウィン曰く

メス鳥は単純なルールに従って行動する。オスの中で一番長い尾羽をもったもののところに行くのだ。

 つまりは尾羽の長いオスを獲得すれば、そのメスの子は次代もモテモテなのである。

 ダーウィンが言いたいのは、

流行はいったん走り出すと、それが勝手に加速していく

ということだと思うのであります。

 進化という観点からは矛盾のある『長い尾羽』も、結果的には「自分はハンディキャップをもっていても生き残れるのだ」と示すことになる。

 

判断の基準

①雇用の採用には判断基準があると思いますが、大学卒業を示す「卒業証明書」は、応募者の能力を示すいい判断材料です。しかし、大学教育を受けたから有能だというわけではない。重要なのは「大学を卒業することが難しいという事実」なのです。

別の良くある例として、銀行やコンサルティングといった専門サービスが新規出店する場合、オフィスを贅沢につくる。お金をつぎ込むことは自信を示す方法として用いられる。目に見える形でアピールすることは自社の製品やサービスに対する自信を示すのです。

 

シャーロック・ホームズの物語「シルバーブレイズ号事件」の一場面。ホームズはレースの2日前に消え去った馬の捜索に呼ばれる。明らかに、誰かが厩舎に忍び込んで馬を連れ去ったのだ。

捜査官 「ほかに注意しなければならない点はあるかね」

ホームズ「番犬の奇妙な行動です」

捜査官 「番犬は何もしていないぞ」

ホームズ「それが変だというのです」

 ホームズは盗んだのは番犬の見慣れている人間だと考えた。案の定、犯人は調教師だった。ホームズと同様、起こらなかったという事実から判断することができる。

 

複雑な料金体験は判断基準を覆い隠す任天堂ファミコンの販売当初、割安に販売した。でも、それはほんの始まりで、ゲームソフトを購入する度に多額の費用を伴うことになる。もしも本体を購入する時点でこのことを知っていたなら、いくら子どもが欲しがっても本体を購入することはなかったかもしれない。

 マイクロソフトのウインドウズ95も発売当初、機能を考えればとってもお買い得だった。でも、PC本体がその10倍の費用を要することを加味すると果たして本当にお買い得なのだろうか?と考えるでしょ。

セット販売』や『プラン割引』もまさに本体を霧に隠した販売手法です。

 

④価格が安ければよいとは限らないのであります。「価格が低いと質も低い」という認識が生じる恐れがあるから。純粋に割引を行っても許されるのは「ブランド」が確立しているものだけなんです。本来は。

 

ゲームを変えるには、他者(他社・顧客)の認識を変えることから!!

 

次回に続く