若者の気持ちになってみる本(パート①)

最近の若いもんは・・・」という嘆きをきくようになって何十年も経ちますが、世代が変わるたび「最近の・・・・」ですよね。そもそも生まれ育った環境が変わっているのだから考え方が変わって当然ではあるのだが、じゃあ、何がどう違うのかということをあれこれ分析した本が☟

 

他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

 

 目次

  1. 感情が変わった
  2. やる気が低下する若者たち
  3. 他者を軽視する人々
  4. 自己肯定感を求めて
  5. 人々の心に潜む仮想的有能感
  6. 自分に満足できない人・できる人
  7. 日本人の心はどうなるのか

 

喜怒哀楽などの感情が乏しい

よく言えば「動じない」のだろう。あくまでも「昔と比べて」という枕詞がつくが、

  • 不快感自体を体験する機会が少ない(大人自身が不快感の耐性がなくなっていることの現れ)。
  • 個人の損得に敏感で、他者や社会の損得に共感できない鈍感さ。
  • 悲しみというのは、自分にとって重要な何かを喪失したときに感じるものだが、豊になるとそのような機会が減少してくる。

 

 

動機づけが乏しい

  • 物質的に充実した環境にいると、人生の目標や夢が見失いがちで、自分自身の価値について意識する機会が少ない。
  • 親に豊かな生活をさせたいので歯を食いしばってがんばるという気概もない。
  • 目標(モデル)となるべく大人を見つけれない(気づけない)

※若者の目標(モデル)をもつには、周りの身近な大人がその経験を開陳し、想いを伝える必要がある。コミュニケーションが大事

  • 大人が若者をほめることが苦手なため、欠点ばかり指摘し、若者が長所を認識する機会が少ない

 

 

 リスペクトが足りない

自分への関心に集中し過ぎて他者への関心が極めて薄い。関心が薄いということは、その人の気持ちやその人のもつ経歴などについても考えようとしないということ。だから敬意を抱かない。

さらには、自分の行為を他人がどう見ているかを考えなくなるために、行動も自分中心となる。

  • 個性やオンリーワンを尊重する社会では、自分と他人との比較対象が少なくなるために、多くの人が自分は並み以上だと感じやすくなる。
  • 信仰心や物質的豊かさ、社会背景から年長者への敬意自体が薄れている。

 

本書の内容は、あくまでも『そういう背景もある』という前提で、

『大人も気をつけよう』とか

『頭ごなしに批判せずに許せる部分は許そう』くらいの気持ちで

知っておくことが大事なのかなと思うのであります。

パート②に続く